芝本ソリューション
4月 08

ICT法面工+Site Scan for ArcGIS
~斜面正対フライト:バーティカル~

法面工におけるSite Scan for ArcGISの新たな可能性とは?

 これまで、土木現場における進捗管理や製鉄所におけるヤード管理などを中心に活躍していたSite Scan for ArcGIS(以下Site Scan)に、「ICT法面工」という新たな可能性の場が見えてきました。

 従来の法面工の測量は人力での作業が多く、「時間がかかる」「人数が必要」「事故が多い」など、数多くの課題を抱えていました。そこで近年、新たに注目されているのがUAV(ドローン)を活用した「ICT法面工」です。

 令和2年3月に国土交通省から発表されたICT法面工は、要項内の出来形管理要求精度が「吹付工:±3cm以下」「法枠工:±1cm以下」と、非常に高精度な3次元での施工管理が求められています。加えて、3次元計測技術を用いた出来形計測要領(案)(法面工編) の改定に伴い、「UAV写真測量についてカメラを計測対象の斜面に正対させた状態での斜め撮影を行う手法」が新たに追加されました。

斜面正対

参考画像-1 「ICT施工の基準類の策定・改定の取組」より抜粋

法面工におけるこれまでのUAV測量

 従来の法面工におけるUAVを使用した測量は、「一定高度からのフライトでのデータ取得」もしくは「手動操作で法面に沿ったフライトでのデータ取得」の二種類が主なフライト手段でした。しかし、これらの方法にはそれぞれ問題がありました。

 一定高度からのフライトを行う場合、数多くの自動フライトアプリで可能となっており、操縦者の技術やラップ率を気にすることなくフライトが可能であったものの、「法面」という斜面に対してのデータ取得精度に課題を持っていました。

 一方、手動でフライトを行う場合は「法面」の斜面に対し間隔を保ちながらデータを取得する事が出来るものの、作業員にあたる操縦者の技術に精度が依存してしまったり、ラップ率が不十分になるケースがあるなど、自動フライトとは別の課題を抱えていました。

従来の法面工 メリット・デメリット

参考画像-2 法面工におけるこれまでのUAV測量

Site Scan独自のフライト方法 ~要項の条件を満たす自動フライト:バーティカル~

 これをふまえて弊社でSite Scan独自の機能となる斜面正対フライト「バーティカル」を使用し、高精度の測量を保つICT技術の検証を行いました。検証詳細につきましては、以下の通りとなります。

【検証内容】

使用UAV機体:DJI社製 Phantom 4Pro

使用モード:バーティカル(UAVが対象物に正対してフライト)

フライト時間:5分

撮影枚数:28枚

※ラップ率・対地高度は一定になるよう設定

参考画像-3 バーティカルフライト設定画面

IMG_6554 4-min

参考画像-4 今回の検証現場

取得したデータの精度はなんと「精度誤差±1cm以下」!

【検証結果】
UAVでの測量と光波測量との座標精度の比較を行ったところ、精度誤差は以下の表の通りとなりました。現在、国交省から要求されている土木におけるUAV測量出来形計測の精度は、「±5cm以下」となっております。本検証(バーティカルフライト)では、その要求精度を上回る「精度誤差±1cm以下(絶対精度)」を達成することが出来ました!

精度誤差表

参考画像-5 精度誤差表

 この結果の最大の要因は、Site Scanのバーティカルモードにより、法面の斜面とUAVが一定の距離を保つことができたことだと考えられます。これによりUAV操作を行う作業員の負担軽減につながるとともに、取得データの精度向上につながりました。加えて、UAVの操縦を全て自動で行うことができるので、作業員の熟練度などは関係なくデータを取得することが可能となり、Site Scanを活用する事が生産性の向上に大きく貢献できる可能性が見出されました。

SSバーティカル効果

参考画像-6 Site Scanバーティカルを使用した法面工UAV測量の効果

法面工におけるUAVでのデータ取得はSite Scanで

 国交省により様々な改定が進められているICT法面工ですが、「出来形管理要求精度(吹付工:±3cm以下、法枠工:±1cm以下)」「斜面に正対させた状態での撮影」という二つの条件を、Site Scanでクリアすることが可能であることが今回の検証からわかりました。

 Site Scanのユーザー様では、今回紹介させていただいた「バーティカル」でデータを取得し、法面工の出来形管理に使用していただいている事例も出てきております。今後もさらに活用の場が広まるであろうSite Scan、これを機に、ICT法面工という新たなステージで御社でもSite Scanの活用をしてみてはいかがでしょうか。

【本件に関する問い合わせ先】
 ソリューション事業本部(担当:長谷部) TEL:03-3553-1122