芝本ソリューション
11月 19

ウーバー本社の建設工事をドローンで管理

現在、米国自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリである「Uber」で世界的に有名なウーバー・テクノロジーズ(以下、Uber)は、2020年完成を目処に新本社ビルの建設を予定しています。今回はその施工主である米国建設会社の「Truebeck建設」にスポットを当て、世界の現場で活用されるSite Scanを見てみましょう。

2007年に設立し、サンフランシスコを拠点とするTruebeck建設は現在急成長中の企業です。シリコンバレーで注目度の高いプロジェクトを手がけ、アップルパークのスティーブ・ジョブズ・シアター[1] … Continue readingなどにも携わりました。従業員数は400人を超え、『エンジニア・ニュース・レコード』誌[2]通称ENR(Engineering News-Record): ビル、道路、橋梁といった大型建造物を建設するエンジニア、施工者、管理者向けの総合情報誌が選ぶ建設業界の上位200社に選出されています。現在Truebeck建設は、サンフランシスコでUberの新本社を建設しています。

同社のバーチャル建設チームによって社内でドローン事業が広まりつつあります。同チームはUber新本社のプロジェクトを含め、各プロジェクトに取り組む中で、レーザースキャン、ドローン空撮地図、ドローン点検などを活用しています。

Uber新本社の建設現場

2020年に開館を予定されている新本社は、12階建てビルと7階建てビルの2棟からなり、敷地は41,000㎡ほどあります。米国設計会社であるSHoP Architects社[3]1996年創業。ニューヨークを拠点とする建築・設計会社。によってデザインされたこの建物は、現場打ちコンクリートを使用し、ガラス張りの渡り廊下が2棟のビルの間に架かる予定です。

現況モデルと進捗報告の空撮データ

サポートチームとフライトプランを組むTruebeck建設のJustin氏とAlex氏

Truebeck建設のVDC[4]Virtual design and construction … Continue readingチームは、サンフランシスコで進行中のプロジェクトでドローンデータを活用し始めています。

ドローンデータの95%は現場作業のプランニング、物流に関する業務、現況の測量などに利用しています。毎日のように新たな物流の業務があり、このプランにドローンマップをオーバーレイできるようにしたいと考えています
Justin PorterTruebeck建設 上級VDCマネージャー

ドローンだけではありません。進捗報告や顧客とのコミュニケーションにSite Scanを活用しています。新本社の3Dモデルを用意することで、定期的に訪問するUber社員にオフィス内をVR体験をさせています。

この工事現場においては主に2つの方法でドローンを活用しています。

  • 建物外面の進捗確認をし、スケジュールとつき合わせ、品質保全を行う
  • 空撮データを用いた進捗報告の改善

選ばれたのはSite Scan

同社内でドローン事業を立ち上げているバーチャル建設チームは、ワンストップなワークフローが可能なドローンソリューションを探していました。最終的にSite Scanを採用し、今ではいくつもの現場でドローンを飛ばしています。

Uberプロジェクトでは、Site Scanフィールドを使用することで、ひしめき合う都市部でも安全にドローンを飛ばしています。建物を短時間のフライトで撮影してSite Scanに画像をアップロードすると、精密な点群データが生成されます。画像データの確認や分析だけでなく、点群データでの計測、品質管理、品質保全も可能です。

点群データで進捗確認

同社では建物外面の撮影と点検を主な目的としています。

現況確認ができるUber本社の点群データ

Site Scanの画像点検ツールで、点群データ上で任意の場所をクリックすると、その点を含んだ全ての画像を確認できます。この機能によって点群データと画像の確認をスムーズに行き来ができますので、建物外面をより細かく点検ができ、品質管理や進捗確認に活用できます。

また、同社では歩道橋などフライトが困難な対象物には、手動飛ばして撮影・点検を行っています。

パノラマ撮影

より高レベルな進捗管理を行うため、ビル屋上からSite Scanの新機能であるパノラマモードで撮影をしました。これによって作業現場を360°見渡せるパノラマ写真が生成され、同社ではチーム内での情報共有、顧客へのデータ提出、マーケティング資料としても活かされています。

今後の展望

同社のバーチャル建設チームは引き続きUber本社工事に取り組む一方で、ドローンを社内の様々な現場で広め、実績を積み重ねようと考えています。現場作業と物流関係のプランニングが主な目的となりますが、建物外面の点検、土量計算、在庫管理などの用途も検討しています。

Truebeck建設は迅速に、効率的に、そして安全にSite Scanを活用することで、求めていたデータを得ることができました。同社の企業理念に「当たり前を変える[5]“Disrupt The Ordinary” Truebeck建設のスローガン」とあるように、今後も更なるイノベーションに尽力し、邁進し続けることでしょう。

脚注

脚注
1 アップル社のコーポレートキャンパス内にあるシアター。円筒型の建物で360°ガラス張りの設計。
新商品説明会のためにスティーブ・ジョブズが考案したとされる。
2 通称ENR(Engineering News-Record): ビル、道路、橋梁といった大型建造物を建設するエンジニア、施工者、管理者向けの総合情報誌
3 1996年創業。ニューヨークを拠点とする建築・設計会社。
4 Virtual design and construction (仮想デザイン及び建築)
3Dモデルでの工法の事前計画・シミュレーションにより、最適化されたスケジューリングを行う作業。
綿密な建設作業の流れを計画することで、材料や廃棄物を抑え、現場作業のコスト削減・効率化・収益の増大を図る。
5 “Disrupt The Ordinary” Truebeck建設のスローガン