芝本ソリューション
4月 17

ドローンで橋梁の架け替え工事のスピードアップを実現

2017年4月17日

Hugh McFall (3DR)

ピント・クリーク橋はハイウェイ60の交差点に1949年に建てられた歴史的な橋である。アリゾナ州フェニックスから東に1時間半のところ、トント国立公園の山麓地帯に位置している。この鋼鉄のアーチ橋はルーズベルト大統領の公共事業政策の一環として建設され、都会から離れた風光明媚な険しい渓谷の間をつないでいる。

60年以上使われてきたこの橋も、ついに衰えが見られてきた。調査と査定の結果は芳しくなく、2014年の調査で橋は「構造基準を満たさない」とされた。

この橋は今でも閉鎖されずに使われているが、腐食しているため、架け替えることが決められた。この辺りには簡単に通れる迂回路が無い為、現在の橋の北、すぐのところに新しい橋が架けられ、その建設が終わってから、古いピント・クリーク橋は解体されることになった。

このプロジェクトはまだ初期段階にある。アリゾナ州の運輸局は現在、周囲の渓谷の地盤調査を行っており、新しいインフラを建てられる状態かどうかを確認している。このエリアで新しい工事を始めるためにはまず、骨の折れる調査作業を行い、トント国立森林公園内の渓谷への影響や持続可能性を確かめなければならない。周辺環境になじむような橋を造り、そこにある植物や地表の岩などへの影響を最小限に止める必要があるのだ。この渓谷の深さは約80メートルである。そのため、従来の方法で現場の上から下までを調査しようとすると、少なくとも丸1日はかかってしまう。さらにその作業にはクライミング装備を使って崖を降下したり、険しい岩場を歩いたりするなど、危険で効率の悪い作業が伴う。

ソリューション

大規模で、丁寧な作業が求められる険しい地形を持つピント・クリークの調査にはドローンが非常に有効である。ドローンならば素早く空中撮影データを収集でき、調査員も安全に作業を行うことができるようになる。3DRはピント・クリークに赴き、Site Scanを使って橋の状態全てとその周辺環境をキャプチャした。

3DRのソリューションアーキテクトのジェレマイア・ジョンソンがその日の操縦を担った。彼はSite Scanのアプリを使い、約7.5エーカーの現場の上空を飛ぶための飛行計画を立て、橋の西の端からドローンを放った。ジェレマイアはクロスハッチサーベイ画面を立ち上げ、この規模の現場のスキャンに適切な高度とジンバルの角度の設定を行った。

Site ScanフィールドのiPadアプリからとったサンプル画像。ピント・クリーク橋のクロスハッチグリッドが見られる。

私たちはわずか30分間の一度の飛行で全エリアを調査し、358枚の高解像度写真を撮り、数多くの正確なデータポイントを収集することができた。

「この渓谷を従来の方法でマッピングすれば、上から下まで調査するのに最低でも丸一日はかかるでしょう。」ジェレマイアは言う。「その上、もっと大変なのが従来の方法で集めたデータの処理です。Site Scanと同様の正確さで処理しようとなると、恐らく2週間程度かかると思います。」

3DRのソリューションアーキテクトであるジェレマイア

主な成果物

30分だけの1度きりの飛行でも、多くの成果が得られた。この日の終わりにはオルソモザイク画像、デジタル標高モデル、オーバーレイ、そして基準点の、完全に加工された4つの主な成果物を手にすることができたのだ。

1. オルソモザイク画像

キャプチャした358枚の画像を処理し、現場全体の詳細なオルソモザイク画像を作成した。これはCivil 3D、InfraworksなどのAutodeskのツールで操作可能な鮮明な空中データとなる。

ジンバルの角度を30度に設定して行った一回のクロスハッチサーベイで撮った、ピント・クリーク橋のオルソモザイク画像
ReCap 360 ProのDEM

2. デジタル標高モデル (DEM)

キャプチャしたデータはデジタル標高モデルの作成に使用することができる。これによって調査員は渓谷全体の標高を様々な見方から鮮明に、そして正確に見ることができるようになる。

3. オーバーレイ

地形測量データをSite Scanに取り込み、オルソモザイク画像にオーバーレイすることで、実際の現場と計画を比較することができ、現場への新しい知見を得ることができる。

オーバーレイ
点群データ

4. 点群データ

その後、ReCap 360 Proを用いて現場の点群データを作成した。この点群データは設計や施工プロセスの間、いつでも簡単に編集、計測、注釈付けができる。

Site Scanを飛ばすことで、私たちはピント・クリーク橋を全く新しい形でキャプチャし、調査員と作業員にとって有用で役に立つ情報を集めることができた。また、空撮データの収集作業が素早く、安全に行えることを証明することにも成功した。